ジンを1本買って、ジントニックとマティーニを試した次に来る問いは「他に何が作れるんだろう?」だ。実はジンベースのカクテルは、7つの系統に整理すると一気に見通しがよくなる。本記事ではその7系統と代表カクテル、そして家で1本のジンから引き出せる楽しみ方を整理する。
ジンベースカクテルの全体地図 ― 7系統
系統で覚えるジンカクテル
- マティーニ系 ― ジン + ベルモット(食前酒の王様)
- ジントニック系 ― ジン + トニックウォーター(万能ロング)
- フィズ・コリンズ系 ― ジン + 柑橘 + 砂糖 + ソーダ(爽快ロング)
- サワー系 ― ジン + 柑橘 + 砂糖(時に卵白)(甘酸短杯)
- ネグローニ系 ― ジン + カンパリ + ベルモット(食前酒、苦味系)
- マルティネス系 ― ジン + 甘いベルモット + リキュール(古典甘口)
- トロピカル・モダン系 ― ジン + 多素材で香りを編む(自由形)
この7系統さえ押さえれば、世界中のバーのカクテルメニューの9割は『どれかの親戚』として理解できる。順に見ていく。
1. マティーニ系 ― ジンの個性が80%
代表カクテル
- ドライマティーニ: ジン 60ml + ドライベルモット 10ml + オリーブ
- ディアティマティーニ: マティーニ + オリーブ漬け汁 5ml
- ヴェスパー: ジン 45ml + ウォッカ 15ml + リレ・ブラン 7.5ml(007由来)
- ギブソン: マティーニのオリーブをパールオニオンに置換
ジン主体・シェリー / ベルモットを少量加える構成。ジン銘柄を変えるだけで全く別の味になる、ジンの試金石的なカクテル群。詳しくは マティーニの作り方 へ。
2. ジントニック系 ― 万能の長飲み
代表カクテル
- ジントニック(英国式): ジン 30〜45ml + トニック 120ml + ライム
- ジン・トニカ(スペイン式): コパ・デ・バロンに大きな氷、ハーブ複数
- ジン・バック: ジン + ジンジャーエール + レモン
- ジン・リッキー: ジン + ライム + ソーダ(甘味なし)
ジン + 炭酸 + 柑橘の組み合わせ。軽快で食前から食中までこなす万能系。詳しくは ジントニックとは何か へ。
3. フィズ・コリンズ系 ― 19世紀生まれの清涼ロング
代表カクテル
- ジンフィズ: ジン 45ml + レモン 20ml + シロップ 10ml + ソーダ + シェイク
- トム・コリンズ: 本来はオールドトムジンを使った、フィズより細長く氷多めのバージョン
- シルバー・フィズ: ジンフィズに卵白を加えてシェイク(泡立ち)
- ラモス・ジン・フィズ: シルバーフィズ + クリーム + オレンジフラワーウォーター(ニューオーリンズ発、12分シェイクの伝説)
「ジン + 柑橘 + 砂糖」をベースに 炭酸を加えて長く飲ませる系統。家庭でも作りやすく、夏の昼下がりに合う。詳しくは ジンフィズの作り方と歴史 へ。
4. サワー系 ― 甘酸の短杯
代表カクテル
- ホワイトレディ: ジン 30ml + コアントロー 15ml + レモン 15ml
- ギムレット: ジン 45ml + ライムコーディアル 15ml(チャンドラーの小説で有名)
- クローバー・クラブ: ジン + レモン + ラズベリーシロップ + 卵白
- ペガサス/アヴィエーション: ジン + レモン + マラスキーノ + クレーム・ド・ヴァイオレット
「ジン + 柑橘 + 砂糖」をシェイクして短く出す系統。1杯で完結する強さがあり、食前にも食後にも応用が効く。
5. ネグローニ系 ― 苦味の食前酒
代表カクテル
- ネグローニ: ジン + カンパリ + スウィート・ベルモット 各 30ml(オレンジピール)
- ホワイト・ネグローニ: ジン + スーズ + リレ・ブラン(フランス式)
- ネグローニ・スバリアート: ジンの代わりにプロセッコ(軽量版)
- ブールヴァルディエ: ジンをライウィスキーに置換
1919年、フィレンツェのカフェで生まれたとされる。苦味・甘味・ハーブの三層構造で、食前酒として今も世界的にブレイク継続中。
6. マルティネス系 ― マティーニの祖先
代表カクテル
- マルティネス: オールドトムジン + 甘いベルモット + マラスキーノ + ビターズ
- アラスカ: ジン + イエローシャルトリューズ
- ホノルル: ジン + パイナップル + オレンジ + レモン + ビターズ
古典派の 甘口・スパイス・ハーブの複雑系。現代のドライ志向の前史として知っておくと、カクテルの歴史的厚みが見えてくる。
本記事で触れている The Drunken Horse Gin は、 日本公式オンラインショップ から購入可能です。
7. トロピカル・モダン系 ― 自由形
代表カクテル
- シンガポール・スリング: ジン + チェリーリキュール + ライム + パイナップル + ベネディクティン
- ラスト・ワード: ジン + シャルトリューズ + マラスキーノ + ライム 各等量
- ベイズウォーター: ジン + リレ・ブラン + マラスキーノ + アブサン
- ビーズ・ニーズ: ジン + 蜂蜜 + レモン
クラフトジンの時代にバーテンダーが自由に再構築する 「素材を編む」 系統。香りの多い銘柄ほど面白くなる。
The Drunken Horse の目線
ジンベースカクテル 7系統のうち、ジンの個性が立つのは前半(マティーニ系・ジントニック系・ネグローニ系)、ジンが下地に回って素材を支えるのは後半(フィズ系・サワー系・トロピカル系)。The Drunken Horse Gin は12種のボタニカルを Gentlemen's Craft の独自蒸留器 で蒸留した、香りに厚みと層があるクラフトジン。ストレートでも飲める設計なので、特に前半3系統で 銘柄の違いがはっきり分かる。サンフランシスコ・香港・シュトゥットガルトでの金メダルは、ジン単体としての完成度の証でもある。
家に良いジンが1本あると、毎晩違う系統で楽しめる。
系統別・気分マップ
こんな夜に、こんな系統
- 食前にキリッと → マティーニ系 / ネグローニ系
- 食事と一緒に長く → ジントニック系 / フィズ・コリンズ系
- 食後に短く甘く → サワー系 / マルティネス系
- 夏の昼下がりに爽快に → フィズ系 / ジントニック系
- パーティーで華やかに → トロピカル・モダン系
- ナイトキャップ → マルティネス系(甘口)/ ネグローニ系(苦味)
まとめ ― ジン1本で7系統、毎晩違う顔
ジンの懐の深さは「香りで多様性を作れる」点に尽きる。同じ7系統でも、使うジンを変えるだけで全く別のカクテルになる。だからこそ、家に1本良いクラフトジンを置いておくと、毎晩違う系統を楽しめる。
まずは慣れている1系統から始めて、徐々に隣の系統に広げていくのが楽しい。「マティーニ系が好き」と分かったら、その隣の「ネグローニ系」も同じ食前酒のロジックで馴染みやすい。
ベルギー発、物語のあるクラフトジン
サンフランシスコ・香港・シュトゥットガルトで金メダルを獲得した
The Drunken Horse Gin を日本公式サイトからお求めいただけます。
よくある質問
Q. ジンベースの一番有名なカクテルは?
A. 世界的にはジントニックとマティーニの二大巨頭。次いでネグローニ、ジンフィズ、ホワイトレディが続きます。
Q. 初心者でも作れるジンカクテルは?
A. ジントニック、ジン・リッキー、ジンバックは「ジン + 炭酸 + 柑橘」のシンプル構成で家でも失敗しません。慣れたらギムレット、ホワイトレディに進むのがおすすめです。
Q. ジンとウォッカ、カクテル素材としてどう違う?
A. ウォッカは無味無臭・クリーン、ジンはボタニカル由来の複雑な香り。同じレシピでもジンは「香りが主役」、ウォッカは「他の素材を引き立てる」役回りになります。
Q. ジン1本でいくつのカクテルが作れる?
A. 必要なリキュール・ベルモット・柑橘を揃えれば、本記事で紹介した7系統で20種類以上は家で再現可能です。ベルモット1本、トニック1本、レモン/ライム数個があれば10種類は手元で作れます。
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※ お酒は20歳になってから。妊娠中・授乳期の飲酒は避けてください。飲酒運転は法律で禁止されています。