ジン 1 本でカクテル 15 杯。ジントニックとマティーニしか知らなかった人が、家のジンで「もう一杯違うやつ」を作れるようになると、ボトルの寿命と楽しみが一気に伸びます。本記事では家で作れるジンベースのカクテル 15 種を、レシピと使い分けつきで整理します。すべて家庭の道具で再現可能な分量設計です。
前提:ジンカクテルは 4 つの軸で覚える
ジンのカクテルは大きく 4 軸に分類できます。覚えると注文も家でのレシピ選びもスムーズになります。
- ロング(長い飲み物) ― ジントニック、ジンソーダ、ジンフィズなど
- ショート(短い飲み物) ― マティーニ、ギムレット、ホワイトレディなど
- アペリティーボ(食前) ― ネグローニ、フレンチ75 など
- 食後・スイート系 ― シンガポールスリング、ブロンクスなど
シェイク(振る)かステア(混ぜる)かの使い分けはシンプルです。柑橘ジュースや砂糖を含む配合はシェイク、酒類だけの配合はステア。これでまず迷いません。
ロング系 5 種 ― 食前から食中まで
1. ジントニック
ジン 30ml + トニックウォーター 90〜120ml + ライムの皮。黄金比は 1:3〜4。氷山盛り、縁に沿わせて注ぐ。詳しい作り方
2. ジンソーダ
ジン 30ml + 炭酸水 90〜120ml + ライム or レモンの皮。ジントニックよりジンの香りがダイレクトに出るので、クラフトジンの「素」を試したい時に。
3. ジンフィズ
ジン 45ml + レモンジュース 20ml + 砂糖(シロップ)2 tsp + ソーダ。シェーカーにジン・レモン・砂糖と氷を入れて振り、コリンズグラスに注ぎソーダで満たす。19 世紀ニューオリンズ発の古典。
4. トムコリンズ
ジン 45ml + レモンジュース 20ml + 砂糖(シロップ)2 tsp + ソーダ。手順はジンフィズと同じだが、グラスをコリンズグラスにし、氷も山盛り。レモンスライスとマラスキーノチェリーを添える。元々はオールドトムジン(甘いジン)で作られた。
5. シンガポールスリング
ジン 30ml + チェリーリキュール 15ml + コアントロー 7ml + ベネディクティン 7ml + パイナップルジュース 60ml + ライムジュース 15ml + グレナデンシロップ 10ml + ソーダ少々。シェイクしてコリンズグラスへ。1915 年シンガポールのラッフルズホテル発祥。手間はかかるが、ジンが「果実とリキュールの輪郭」を保つかが銘柄テスト。
ショート系 5 種 ― 大人のカクテル
6. マティーニ
ジン 60ml + ドライベルモット 10〜15ml + レモンピール or オリーブ。ミキシンググラスでステア 20〜30 秒、冷えたカクテルグラスへ。最もミニマルな「ジンが本気で試される一杯」。
7. ギムレット
ジン 45ml + ライムジュース 15ml + 砂糖(シロップ)1 tsp(ライムコーディアル 15ml でも可)。シェイクしてカクテルグラスへ。レイモンド・チャンドラーで有名な「ジンとライムの素直な対話」。
8. ホワイトレディ
ジン 30ml + コアントロー 15ml + レモンジュース 15ml。シェイクしてカクテルグラスへ。1930 年代ロンドン発、エレガントな酸味と甘味のバランス。アヴィエーション や ラストワード と並ぶ「ジン × リキュール × 柑橘」三大ショートの一つ。
9. アヴィエーション
ジン 45ml + マラスキーノリキュール 15ml + レモンジュース 15ml + クレーム・ド・バイオレット少々。シェイクしてカクテルグラスへ。航空の黎明期 1916 年生まれ。淡い紫がかった色が特徴。
10. ラストワード
ジン 22ml + シャルトリューズ・ヴェール 22ml + マラスキーノリキュール 22ml + ライムジュース 22ml。シェイクしてカクテルグラスへ。1920 年代禁酒法時代に生まれた「ハーブ × 柑橘 × ジン」。一杯で味の階段が 5 段ある複雑さ。
本記事のカクテルすべてに使える The Drunken Horse Gin は、12 種ボタニカルの強い香り設計が特徴。 日本公式オンラインショップ から購入可能です。
アペリティーボ系 3 種 ― 食前と祝祭
11. ネグローニ
ジン 30ml + カンパリ 30ml + スイートベルモット 30ml + オレンジピール。氷を入れたロックグラスで軽くステア。1919 年フィレンツェ発、1:1:1 の三角形。世界中のバーで定番化。
12. ホワイトネグローニ
ジン 45ml + Suze(スーズ) 30ml + Lillet Blanc(リレブラン) 30ml + レモンピール。ネグローニの軽め版で 2026 年に世界のバーで定番化。色は透明〜淡い黄色。
13. フレンチ75
ジン 30ml + レモンジュース 15ml + 砂糖(シロップ)1 tsp + シャンパン or スパークリングワイン。ジンとレモンをシェイクしフルートグラスに注ぎ、スパークリングで満たす。第一次世界大戦中のパリの「軽くて強い」カクテル。
食後・スイート系 2 種
14. ブロンクス
ジン 30ml + ドライベルモット 10ml + スイートベルモット 10ml + オレンジジュース 15ml。シェイクしてカクテルグラスへ。1920 年代ニューヨーク発、果実味と植物感が同居。
15. ブルームーン
ジン 45ml + クレーム・ド・バイオレット(バイオレットリキュール) 15ml + レモンジュース 15ml。シェイクしてカクテルグラスへ。淡い青紫の色が特徴の、見た目重視の一杯。
シェイク vs ステアの判断基準
- シェイクする:柑橘ジュース、卵白、クリーム、シロップなど「混ざりにくい材料」が入る場合(ジンフィズ、ギムレット、ホワイトレディ、フレンチ75 など)
- ステアする:酒類だけで構成される場合(マティーニ、ネグローニ、ヴェスパー など)
例外もありますが、この 2 行を覚えるだけで 8 割の判断はできます。シェイクは 10〜15 秒、ステアは 20〜30 秒が目安です。
ジンの種類とカクテルの相性
「同じレシピでもジンを変えると別物になる」というのがジンカクテルの面白さです。傾向だけ整理します。
- ロンドンドライ(ビーフィーター、タンカレー、ボンベイサファイア) → マティーニ、ギムレット、ジントニック、ホワイトレディ。輪郭が太い
- オールドトム(甘めのジン) → トムコリンズ、マルティネスなど甘いカクテル向き
- ニュージェネレーション・クラフト(ヘンドリックス、TDH、季の美など) → ジントニック、ネグローニ、ジンソーダで個性を出せる。マティーニにすると派手
The Drunken Horse Gin の場合は、12 種ボタニカル(ティムットペッパー含む)の構成上、ネグローニ・マティーニ・ジントニックの 3 杯で同じボトルが全く違う表情を見せます。家でジンカクテルを 15 種試したいときの「軸になる 1 本」として機能する設計です。
まとめ ― ジン 1 本でカクテル 15 杯
ジンは「銘柄を変えるとカクテルが変わる」スピリッツであると同時に、「1 本でカクテルを 15 杯作れる」スピリッツでもあります。ロング 5、ショート 5、アペリティーボ 3、食後 2 ― 本記事の 15 種を順に試すと、ジンというカテゴリ全体の景色がだいたい見渡せます。最後に残るのは「自分のジンと自分の生活時間に合う、お気に入りの一杯」だけです。
ベルギー発、物語のあるクラフトジン
サンフランシスコ・香港・シュトゥットガルトで金メダルを獲得した
The Drunken Horse Gin を日本公式サイトからお求めいただけます。
よくある質問
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ジンで作れる一番簡単なカクテルは?
ジンソーダ(ジン 30ml + 炭酸水 90〜120ml + ライムの皮)が最もシンプル。次にジントニック(同じ比率でトニックウォーターに変える)です。シェーカーも計量器も不要で、グラスに直接注ぐだけで作れます。 -
シェイクとステアはどう使い分ける?
柑橘ジュース・卵白・クリーム・シロップなど「混ざりにくい材料」が入る場合はシェイク、酒類だけで構成される場合はステアが基本です。例外はありますが、この 2 行で 8 割の判断ができます。 -
甘いジンカクテルと辛いジンカクテルの代表は?
甘い系:トムコリンズ、シンガポールスリング、ブルームーン。辛い系(ドライ):マティーニ、ネグローニ、ヴェスパー。間に入るバランス系がジンフィズ、ホワイトレディ、ギムレットです。 -
ジンカクテルに合うジンは?
マティーニ・ギムレット・ネグローニのような「ジンが主役」のカクテルにはロンドンドライ(ビーフィーター、タンカレー)かボタニカル個性が明確なクラフト。ホワイトレディ・ブロンクス・シンガポールスリングのようなリキュールが多い系はロンドンドライで十分です。 -
ホワイトレディとは何?
1930 年代にロンドンで生まれたとされる、ジン 30ml + コアントロー 15ml + レモンジュース 15ml のショートカクテル。エレガントな酸味と甘味のバランスが特徴で、サイドカー・マルガリータと並ぶ「サワー型ショートカクテル」の代表です。 -
ジン 1 本で何種類のカクテルが作れる?
本記事の 15 種は基本中の基本で、応用と派生を含めれば 50〜100 種以上は容易に作れます。ジンはスピリッツの中で「もっとも汎用性が高い」と評されるカテゴリで、レシピ本ではジン専用の章が必ず分厚くなります。
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※ お酒は 20 歳になってから。妊娠中・授乳中の飲酒は赤ちゃんの発育に影響します。飲酒運転は法律で禁止されています。